精神疾患を乗り越えた一級建築士の雑記

資格やボードゲームについても語るよ

心療内科の診断書の必要性

仲のいい同僚がいます。
彼は以前から、月に5日ほど会社を休んでいました。

理由は、頭痛。

翌日が平日だと、なかなか寝付けなくて、
やっと寝れたと思ったら、朝からひどい頭痛に襲われるのだそう。
それが特に月曜日の朝に顕著とのこと。
そして、金曜の夜から日曜日の夕方までは、元気。

その話を聞いて、どう考えてもストレスだ、ストレスが症状に出ている、と思い、心療内科の受診を勧めていました。
そんな話を何回もして、でも受診はしない、という状況が半年くらい続きました。


そして彼はついに、年度末で会社をやめることを決断しました。

私「年度末まで時間があるし、まずは診断書をもらって今すぐ会社を休もう」

そう提案してようやく、心療内科を受診してくれました。

うつ病だと診断されました。

やはりかと思う反面、これで会社を休めるねよかったね、と思いました。

ところが、同僚は、会社を休まないのです。

どうやらお医者さんに、「今の業務的に今すぐ会社を休める状況じゃない」と伝えたようで、その結果、投薬治療をしながら出勤を続けられるような、診断書の体裁にしたようです。

翌週、彼は診断書を持って、会社の上司と話をしました。

上司「心配は心配だけど、もし大丈夫なら頑張って出勤してほしい。
   今までのように週1~2回休んでもいいから」
同僚「休職すると僕も生活が厳しいので、頑張ります」

そんな会話をしたと報告されました。
会社を辞めないことにもしたとのこと。

私 「なんで!なんで!今休まないとどんどん悪化するじゃん!」
同僚「抗うつ薬飲んだら多少良くなったし、なんか行けそうな気がしたし。
   何より、上司は止めてくれなかった。
   それに今まで散々体調管理しっかりしろと言われていたのに、
   診断書もらった途端休むってなるのもおかしいと思う。」

会社が止めてくれるわけがない。
労働力の対価に給料をもらっているのだから、
会社としては、給料を払い続ける限り、労働力を搾取しようとするのは当然。
上司も心配しているけれど、立場上、頑張ってくれと言うしかないのも想像がつきます。

だからこそ、診断書が必要なのです。
「お医者さんが、仕事を休めって言ってる!ほら!見て!」と、診断書を掲げない限り、会社を休めません。


インフルエンザを例に挙げてみましょう。

インフルエンザは、
・誰でも感染する可能性があるし、
・しんどさも大体みんなわかっているし、
・人に移るから、熱が下がってから3日程度は出勤禁止
となっている会社が多いと思います。

そんなインフルエンザだって、診断書が必要なのです。
診断書がないまま「インフルエンザって言われたから5日間休みます」と言ったところで、「サボりだろうな」と思われれても仕方がないのです。

精神疾患は、経験者にしかしんどさがわかりませんし、
傍から見ても、うつ病だと気づかれないことがほとんど。

そんな病気だからこそ、診断書が必要なのです。


また、「今すぐ会社を休むことができない」なんて、そんなことありえません。
突然1人いなくなったって、会社は回ります。

不謹慎な話をしますが、

仮に明日、突然上司が亡くなったら?

当然最初の数日は大混乱で、引き継がれなかった業務をどうにかしようとします。
でも日が経つにつれて、何事もなかったかのように業務は落ち着いていくのです。
大きな会社なら尚更、同僚の代わりに動ける人がたくさんいます。

 

あなたの代わりに仕事をできる人はいくらでもいるけれど、

あなたは一人しかいない。

だからこそ、自分を最優先にしてほしい。

そうやって頑張って同僚を説得し続けていますが、だらだらと2週間が経過してしまいました。
そして今日も彼は会社を休んでいます。

どうか、この気持ちが彼に伝わりますように…